NEWS・BLOG

NEWS・BLOG

栄養コラム
2020.04.01

免疫について

 

今回は免疫についてお伝えさせていただきます。

 

栄養の話をするときには

「免疫」の話は避けては通れません。

なぜなら栄養とは非自己を自己へと摂り込み

代謝させる過程であり、

免疫とは自己と非自己の分別とも

言えるからです。

 

そのため免疫細胞はウイルスや細菌といった

非自己が体内に侵入し、

自己の細胞へ感染し増殖することを

防いでくれます。

 

私達の細胞は様々な細菌と共存しながらも、

細胞、そして命を乗っ取ってしまう

非自己との闘いを日々繰り返しています。

 

ところでウイルスとは

いつから存在したのでしょうか。

諸説ありますがおそらく30億年前には

地球上に存在していたのではないか、

と言われています。

 

現在、

最古の猿人と考えられている人の祖先ですら

誕生は約600~700万年前と考えられています。

 

ウイルスは我々より遥か以前から

存在していたのです。

 

話は細菌に変わりますが、

私達の暮らしは細菌との接触なしには

成り立ちません。

目には見えませんが私達の身体も、

そして【内なる外】である

腸内もおびただしい程の

細菌に覆われているのです。

 

地球上で生きる以上は

細菌との触れ合いは避けられないのです。

そしてウイルスはその細菌よりも

遥かに小さいため、

これらとの接触も避けられません。

 

ウイルスは細菌とは違い、

細胞膜を持たず自己増殖はできませんが

遺伝情報の伝達機能を持つDNA

もしくはタンパク合成に機能する

RNAのどちらかを持っていることから

まさに

「生物と無生物の間」

とも言える存在です。

 

そのためウイルスは増殖するためには

他の生物の細胞に侵入する必要があります。

侵入方法もウイルスにより様々ですが、

侵入されることで感染は進行していきます。

 

ですが、生物はこれに対抗する手段を獲得しており、

それが免疫です。

 

そうなんです。

免疫とは本来は我々の

身体に備わっている機能であり、

ウイルスより後に生まれた人間が

地球上で生存するために備えたシステムです。

 

免疫細胞とは白血球のことを指しますが、

この白血球も私達の細胞ですから

当然摂った栄養素を素にして作られます。

多くは骨髄で作られますが

一部は胸腺でも作られ、

それは胸腺で教育を受けて様々な役割を持ち、

免疫細胞として活躍して

恒常性の維持に貢献してくれます。

 

では本来備えた

免疫システムが正常に機能するように

必要な栄養素を摂れば、

免疫機能の低下を

防げるのではないでしょうか。

 

また内部に侵入される前に、

感染経路になる粘膜を強く

保てればよいのではないでしょうか。

 

粘膜も当然摂った栄養素から作られます。

 

コンピューターサイエンスの世界で

 

「Garbage in,garbage out」

 

という言葉があります。

「ゴミを入れたらゴミが出てくる」

ということであり、これは身体も同じです。

 

身体にとって必要な栄養素を入れなければ、

正常なシステムを維持することはできません。

つまり免疫システムを保つにも

必要なものを摂らなくてはいけないのです。

 

話が長くなり始めましたので

免疫システムの機能を

保つために大切なことは

 

  • ストレスを減らす
  • 食生活の改善
  • 口呼吸の改善

 

やはりこの3つではないかと思います。

 

過剰なストレスによりノルアドレナリンなどの

カテコールアミンが分泌されますが

、過剰なノルアドレナリンは免疫細胞の中でも

獲得免疫を司るリンパ球のβ2受容体に結合し、

免疫作用を低下させます。

 

メンタル的なストレスすべてを指しますから、

妙に不安ばかりに駆られても

免疫力が落ちるのです。

 

そして食生活が大事です。

Garbage in,garbage outというように

本来は万人が持っているはずの免疫機能なのに、

食生活を乱すことで

自ら低下させている人がとても多いです。

 

血糖の乱降下も

血糖維持のためにカテコールアミンの分泌を促します。

 

また栄養素で言えば

 

・ビタミンD

・ビタミンA

・ビタミンC

・亜鉛

・水溶性食物繊維

・たんぱく質

 

この辺りは特に大事です。

 

ビタミンDは上皮細胞の

タイトジャンクションの結合を

強くし異物の侵入を防ぐ為、

また免疫細胞の遺伝子発現にも関与するため

免疫にビタミンDは欠かせません。

 

特に豊富なのは舞茸、鮭などです。

 

ビタミンAと言えばその役割は粘膜と免疫です。

 

ビタミンAは上皮細胞から分泌される

ムチンの主成分であり

粘膜バリアの形成に必須です。

また異物が粘膜上にくっつく前に打ち落としてくれる

抗体SIgA(分泌型免疫グロブリンA)の原料は

ビタミンAとグルタミンです。

 

ビタミンAはまさに粘膜部分での

侵入を防ぐために奮闘してくれています。

 

特に豊富なのはβカロテンという形であれば人参、

カボチャに多く、

習慣的にはそれらを食べることがオススメです。

たまに鶏レバーなどを食べるのもいいでしょう。

 

ビタミンADも肝臓に貯蔵されますから、

肝機能も大事です。

 

 

いかがでしょうか。

舞茸、鮭、人参、かぼちゃ。

 

直近で食べたのはいつでしょうか?

もちろん他の食品にも入っていますが、

意外にも

ビタミンD、ビタミンA

というものを意識されている方が少ないです。

 

ビタミンDは日光を浴びることで

紫外線UVBの働きで体内生成されますから、

朝の散歩もオススメです。

 

 

免疫機能をお留守番状態にしないためにも

ぜひこれらの食品、

または栄養素が取れる食品を

意識なさってくださいませ。

 

栄養に無知であることは、

人生で損をすることにも繋がります。

なぜなら私達の身体は食べた物

で出来ているからです。

 

ゴミを入れず、適切な栄養を入れ、

細胞の機能を引き出していきましょう。

 

川合ニュートリションアドバイザー