- 栄養コラム
- 2020.08.23
栄養療法の必殺技「ブロススープ」
【ブロススープ】
前回は「胃」についてのコラムでした。
胃が弱いのは栄養療法ではとても深刻な状態というお話しでした。
多くの慢性不調の要因として“栄養欠乏”が上げられます。
世界三大微量栄養素欠乏として・・・
鉄
ビタミンA
ヨウ素
この3つが挙げられます。
特に鉄は世界中で欠乏が起こっています。
鉄は少し特殊な栄養素で「摂取量」を増やせば、欠乏が改善されるわけではありません。
鉄に代表されるミネラル分は胃酸によってイオン化という「水に溶ける状態」になって始めて吸収できます。
ということは胃が弱くては鉄が吸収出来なくなってしまいます。
そうなんです。
胃が弱いのは本当に厄介で、「慢性不調を改善するために栄養素を入れたい!」
でも栄養素を吸収するための消化液を生み出すエネルギーまで枯渇しています。
そしてこのエネルギーを補充するためには栄養素を入れるしかありません。
でも栄養素が入らない。
そんな八方ふさがりの状態。
という感じでした。
そのための解決プランをいくつかご紹介したので、前回のコラムもご覧くださいませ。
今回は少し違うアプローチです。
胃だけでなく腸も弱った方に効果的です。
それが今回ご紹介する「ボーンブロススープ」です。
名前の通り鶏ガラを用います
ボーンブロススープは「栄養療法の必殺技」とも呼べる食事です。
インターネットで検索していただくと幾つか出てきますが「健康志向の高い○○に人気の」のようなフレーズのあるものとは若干違います。
こういったものは結構野菜などがゴロゴロ入っていたりしますが、栄養療法のブロススープは健康志向の高い方のためではなく…
「慢性不調で健康になりたい方」のためのブロススープです。
ですから消化器が弱く、元気もないのでゴロゴロお野菜なんぞ食べられません。
そのため鶏ガラをただただ煮込むだけのブロススープ、これが栄養療法のブロススープです。
飲みやすくするために少量の醤油、麺つゆ、味噌などで味付けはしますが固形物はありません。
そうすることでサーモボトルに入れて、いつでも少しずつ飲むこともできます。
適時少量を飲むことで低血糖の予防にも働きます。
低血糖や腸が弱っている方には必殺技のように働きます
ではここからはブロススープの作り方をお伝え致します。
【材料】
・鶏ガラ1~2個
・本葛10~15g
・バジル少々
・にがり1~2滴
・水1000㏄
上記をご用意ください。
【手順】
- 鶏ガラを水1000㏄の中に入れ煮込む(理想は5時間)
- 必要量(今日飲む分)を取り分け、本葛をすり潰して溶かす
- サーモボトルに入れ、バジル、にがりを入れて蓋をして混ぜる
- 食間に少しずつ少しずつ飲んで、血糖維持と腸管修復。
このようにしてお作りお楽しみくださいませ。
5時間煮込むのは厳しい‼
そんな方は1~2時間煮込むだけでも結構です。
胃腸が弱くて毎食に消化不良を起こして、栄養欠乏による慢性不調を抱えていた方にも栄養素が届き、回復を促進してくれます。
今回は慢性不調を抱える方に向けたボーンブロススープをご紹介致しました。
ぜひ皆様、一度お試しくださいませ。