- 栄養コラム
- 2020.11.13
調味料をうまく活用する
【調味料を上手く活用する】
前回のアンバーコラムでは「消化液の重要性」をお伝えしました。
栄養療法をおこなう上で最も大切とも言えるのが「消化器」です。
様々な欠乏症によって慢性不調を抱えている方がいらっしゃいますが
「欠乏している栄養素をサプリで摂っている!それなのに効かない…」
こういった方は大変多いです。
このケースでは、消化器の機能低下が根本原因になっていることが殆どです。
そんな時に如何にして栄養素の吸収率をあげていくか。
ここが重要になり、そのために使えるのが「調味料」です。
従来の調味料に対する考え方は…
・調理に使う材料
・食べ物に各人の嗜好に合った味をつけ、食事を美味しくさせる材料の総称
このようになります。
ですが栄養療法では…
・食材だけでは摂れない栄養素を補う材料
・各人の消化能力に合わせて消化吸収を促進する材料
・シンバイオティクスや抗菌作用を持つ材料
として用いることができます。
栄養療法では「過剰な調理は避ける」ことも重要です。
ですが、調味料が本来持つ機能性を上手く活かせば、慢性不調を改善するための武器にもなります。
今回はその中でも「味噌」をオススメ致します。
私共、アンバーラボがございます名古屋と言えば「味噌カツ」でもありますからね。
味噌の歴史を遡ると、飛鳥時代(538~710年頃)に国内書物に初めて味噌が登場しました。
その後、平安時代(794-1185年頃)では味噌は高級官僚の給与として支給されていたこともあり、大変価値のある物として扱われていました。
そして室町時代(1336-1573年)に農民による味噌作りが開始され、戦国時代において味噌は重要な栄養源として重宝されるようになります。
強い兵士を作るのに欠かせない栄養素は、やはりたんぱく質です。
味噌は戦国時代の遠征において、重要なたんぱく質の摂取源となりました。
たんぱく質といえば肉や魚が思い当たりますが、数千、数万を超える兵士全員に遠征の間、常にこれらを十分量与えるのは無理があります。
なにより保存が効かないので、遠征中はすぐに痛んでしまいます。
味噌は発酵食品であり、基本的には雑菌の侵入を抑えて腐らないため、常温でも保存が可能です。
そして大豆が原料になっていてたんぱく質も豊富です。
これらから長期に渡る遠征において兵士の摂るたんぱく質を確保し、強い兵を維持するために味噌は欠かせないものでした。
また味噌とお米を一緒に摂れば、アミノ酸スコアと言われる「たんぱく質の質」も100点満点となります。
行軍や戦いの中で発汗もしますが、味噌に含まれる適度な塩分はこれを補い、回復を促してくれました。
このように味噌は兵たちの「身体を造る」「身体を癒す」という役を果たしていました。
味噌はそれだけではありません。
味噌には糖質、たんぱく質、脂質に対する消化酵素も含まれるのです。
日本人は胃腸が弱いと言いますが、それを補う調味料としても味噌は活躍していたのです。
味噌はたんぱく質の摂取源となるだけでなく、そのたんぱく質に対する消化酵素も持ち合わせており、日本人の健康・強さを支えていたのです。
次回はそんな味噌を食生活に取り入れるための鍵「味噌汁」についてです。