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栄養コラム
2020.02.14

肥満は慢性炎症疾患

アンバー栄養通信 vol.2

 

 「 肥満は慢性炎症疾患 」

 

AMBER LABニュートリションアドバイザーの

川合 智です。

栄養コラム第2回目となります今回は、

肥満についての考え方をお伝え致します。

 

春を迎え、暖かくなり始めると

夏に向けてダイエットに励む方も

多くなりますが、

その際に体重の増減でダイエットの

成否を考えないようにお伝えしております。

数字として表れますので、

やはり結果として分かりやすいですが

 

ダイエットの成功 = 体重の減少

 

ではありません。

 

ダイエットの成功 = 脂肪滴の縮小

 

と考えていただいております。

本来、私たちの身体の脂肪細胞は付く部位によって

 

内臓脂肪”と“皮下脂肪

 

この2種類に分けることができます。

ご覧いただくように内臓脂肪は腹壁の中に付き、

皮下脂肪は外に付きます。

この時点でこの2つの脂肪には、

そもそも別の役割や目的があって

存在しているかのようにすら感じられます。

 

それぞれに特徴があり、

内臓脂肪は脂肪細胞内にある脂肪滴と

呼ばれる中性脂肪の貯蔵庫が肥大して

巨大化した結果、脂肪細胞が大きくなります。

 

これらはどちらかというと

男性に多いタイプの脂肪の付き方で、

食生活習慣の乱れにより増えやすい特徴もあります。。

 

対して皮下脂肪はどちらかというと

脂肪滴の肥大ではなく、

脂肪細胞の数そのものが増えています。

 

皮下脂肪は無駄なものではなく、

臓器を守るといった働きもあり、

骨盤周囲を守るために

特に女性に付きやすいタイプの脂肪になります。 

この2つのうち、

特に健康に悪影響を及ぼすのは内臓脂肪ですが、

こちらは減りやすいという特性があります。

逆に皮下脂肪は健康に対して

害にはなりにくいですが、

減らしにくいという特性があります。

体脂肪の減少=脂肪滴の縮小

これが起こるためには脂肪細胞の表面にある

カテコールアミン受容体に

カテコールアミンが結合する必要があります。

 

またこの受容体にもいくつか種類があり、

皮下脂肪にある受容体は

体脂肪燃焼をストップさせるような

働きも持つため体脂肪が減りにくいです。

この辺りに関してはまた別の機会に。

 

さて、増えすぎた内臓脂肪が

健康の害になるというのは、

実は体内に慢性炎症を引き起こしてしまうからです。

 

脂肪細胞が肥大化することにより、

MCP-1(単球走化性因子)

と呼ばれる物質が多く産生されます。

 

それにより肥大化した脂肪細胞の周囲には

免疫細胞であるマクロファージが大量に引き寄せられ、

このマクロファージは異物を処理する際に

 

TNF-α(腫瘍壊死因子)

IL-6(インターロイキン6)

 

と呼ばれる炎症性サイトカインを産生します。

これらも生体の恒常性、

つまり健康を保つためには必須なのですが

多くなりすぎることが良くないのです。

 

実は現代の様々な内科的疾患の根本には

“慢性炎症”

が存在していると考えられています。

また特に内臓脂肪では炎症に働く

M1マクロファージ

を誘導し、皮下脂肪では抗炎症性の

M2マクロファージ

を誘導すると考えられています。

 

そのため健康のためのダイエットであれば、

体重にこだわらず食生活を改善し、

運動も適度に行えば

カテコールアミン受容体の関係上、

内臓脂肪はスムーズに減っていきます。

 

ダイエットをする前に、

そもそも

健康体がなくては上手く体脂肪が減りません。

なぜなら体脂肪を燃やす引き金になる

カテコールアミンも

十分に栄養が満たされていることで、

副腎という臓器から作ることが出来るからです。

 

ダイエットの前に健康ありです。

そして、肥満自体も慢性炎症疾患ですので

予防が大事です。

 

そのためにも前回のコラムでご紹介した…

 

主食、主菜、副菜の揃った食事を

調理少なく食べる

 

これを習慣化してみては如何でしょうか。

川合ニュートリションアドバイザー