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栄養コラム
2020.07.20

食物繊維について

前回は3大栄養素についてお伝えしました。

 

少し復習をしてから食物繊維に入りましょう。

三大栄養素とは炭水化物、たんぱく質、脂質のことであり、なぜ3大栄養素と呼ばれるかと言うと「エネルギー源になる」からでした。

 

三大栄養素は私達を構成する約37兆の細胞のエネルギー源になる貴重な栄養素です。

 

 

そして、炭水化物は糖質+食物繊維であり、細胞のエネルギー源になるのは糖質です。

では残った食物繊維はどのような働きをするのでしょうか?

 

 

一般的には「カロリーにならない、だからたくさん食べても大丈夫!」。

そんなイメージでしょうか?

 

食物繊維は現代人が健康を維持するために重要な栄養素です。

食物繊維は細胞のエネルギー源にはなりませんが、腸内細菌のエネルギー源になるという重要な役割を持っています。

 

私達の身体は約37兆の細胞が機能するだけでなく、腸に存在する約100兆の細菌が上手く共生して初めて心身の不調を抱えず健康を維持できます。

 

そして、三大栄養素を適切に吸収し細胞のエネルギー源にするためにも腸内環境が重要になります。

 

ここで食物繊維の登場です。

 

 

食物繊維には不溶性と水溶性の2種類があり、特に重要になるのが水溶性食物繊維です。

この水溶性食物繊維は腸内にいる善玉菌の餌になり、腸内環境を整えてくれます。

 

 

「腸内環境が整う」

 

これは何が整うことを指すのでしょうか?

 

主に

 

■腸内細菌のバランス

■腸の酸性度

 

です。

 

腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌と呼ばれる3種類に大別されますが、このバランスは217が理想と言われています。

 

不名誉なことに悪玉菌などと名付けられていますが彼らにも重要な役割があり、不要な存在ではありません。

 

 

SIBOと呼ばれる腹部の慢性不調があり、慢性的な下痢、腹部膨満感が症状として現れます。これは善玉菌の異常増殖によるもので、たとえ善玉菌といえどバランスを崩してしまうと弊害が出ます。

 

あくまで大切なのはやや善玉菌優位の状態を作ることです。

そのためにも主菜(肉魚類)と副菜(野菜海藻きのこ類)はセットで摂りましょう。

 

そして善玉菌が副菜に含まれる水溶性食物繊維を餌にして短鎖脂肪酸を作ります。

この短鎖脂肪酸は文字通り、“酸”ですから腸内を酸性化し様々なミネラルを吸収しやすくします。

 

 

つまり貧血などのミネラル欠乏症が起こっている時、鉄をサプリで摂っても一向に回復しないときがあります。

 

もしかすると腸内環境が悪く、ミネラルの吸収不良によって貧血がおこっているかもしれない。

 

そんな時もあります。

 

 

また三大栄養素も小腸から体内に入ることで正常に吸収代謝されますが、もし腸粘膜に傷があった場合は栄養素も上手く吸収できません。

 

こちらはリーキーガットシンドロームと呼ばれ、ぜひ知っていただきたい言葉ですので次回以降にお伝え致します。

 

では腸粘膜の傷を修復し、正常に保つためには何が必要なのでしょうか?

実は短鎖脂肪酸が小腸と大腸を修復するエネルギー源として使われます。

 

水溶性栄養素は腸内環境を整え、腸の粘膜を修復して三大栄養素の吸収をサポートしていると言っても過言ではありません。

 

またアレルギーの寛解などにも腸内環境は関係があります。

この辺りは白血球の話も必要になりますので少し先になりますがいずれお話しさせていただきます。

 

水溶性食物繊維が豊富なおすすめ食品を1つあげるのであれば、たまねぎになります。

 

 

たまねぎにはイヌリンという善玉菌の餌になる水溶性食物繊維が多く含まれ、細胞のエネルギー産生工場ミトコンドリア機能を高めるケルセチンも豊富です

 

そしてサラダや味噌汁に入れてもいいし、食卓に並べやすい1品です。

皆様もぜひ毎日の食卓にたまねぎを並べて腸内環境を整えてくださいませ。

 

執筆:川合 智 ニュートリションアドバイザー

AMBER LAB(アンバーラボ)

パーソナルトレーニング/ ボディメンテナンス

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