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カラダ通信
2023.08.09

プロが解説!過度なストレッチはNG?やみくもなストレッチはかえって危険

カラダが硬いからストレッチ?

姿勢改善をしたい、カラダが硬いなど

上記の悩みに対して、

ストレッチで解決をはかることが

臨床的に多いかと思います。

 

しかし一般的なイメージの

 

「 硬い筋を柔らかくする→ストレッチ 」

 

という思考は場合によっては

・姿勢のバランスを崩す

・痛みを助長する

事にもつながりかねません。

 

ストレッチが危険なケースは?

ストレッチをオススメ

できないケースとして、

 

・筋肉が延長してしまっている

 

ケースが代表的に挙げられます。

下の図の下位交差症候群

 

 

リブフレア(肋骨の開き)や

反り腰が共存する姿勢において

 

・臀筋群(お尻の筋)やハムストリング(もも裏)

 

などの股関節後面の筋群は

伸びてしまっている(筋の延長)為に

骨盤が前傾になり

股関節や骨盤の制御がうまくできなくなっている

状況になります。

特にもも裏(ハムストリング)などは

骨盤を上手くコントロールする

為に重要な機能を持っています。

 

そんな大切な股関節後面の筋肉が

元々伸びてしまっている

下位交差症候群のヒトに

何の考えもなく

もも裏やお尻のストレッチング

を指導し続けたらどうなるでしょうか?

 

現状より、もっと筋が延長し、

自分のハムストリングや臀筋を

感じる、使える状態からは程遠く

姿勢改善が永遠に進まない可能性

 

も考えられます。

そして

姿勢不良は変化せず

腰痛の原因や

下肢の骨格バランスの崩れを助長し

様々な症状へとつながる危険性も

あります。

 

 

前屈が楽々できてしまうヒト

よく前屈ができることで

柔らかいからスゴイ!との

お声を聞きますが、

一見して柔軟性が高いことは賞賛

されることが多いですが注意が必要です。

場合によって

 

・筋肉の伸びすぎ

・関節の弛緩性(joint laxity)

 

で可動性が高いだけのケースが考えられます。

 

ヒトの筋肉は

最も筋力を発揮しやすい、最適な長さがあります。

この長さから短縮しすぎたり、延長しすぎたりする

事で発生させる筋張力が減少し

機能低下する可能性があります。

 

もちろん、バレエや体操・新体操など

スポーツ等の動きの特異性もあり

関節の可動性が大きくなければ達成できない

競技や動作もあるでしょう。

それらのケースでは、

大きな可動性を有しながら(柔軟性・可動性)

同時にそれらをコントロールできる

操ることができるレベルで筋肉を鍛えている

事で姿勢や関節の安定性を保てています。

私自身もバレエ鑑賞が好きで

ロイヤル・バレエ団など日本に来日した際に

鑑賞したことがありますが

プリンシパルの

可動性や柔軟性の高さとともに

関節毎の安定性や

引き締まったボリュームのある筋群に

ばかり目に行く形でした。

 

やはり柔軟性、可動性が高い場合は

その可動域をしっかり操ることのできる(制御できる)

筋力や動作を有することが不可欠です。

 

 

ストレッチをする前にチェックを

 

ストレッチをするのであれば、

まずはしっかり姿勢を評価し

・短縮している筋

・伸張(延長)している筋

を明確にし、

それらを見極めてストレッチ

なさることをオススメします。

 

決して得意なストレッチばかりを

日常で行い続けないように、

短縮しているところはしっかり行いながら

伸びているところは鍛えることを

推奨します。

 

今回特にお伝えしたかったのは

 

伸びすぎてしまった筋肉は

関節の安定性を得るため、

しっかりとその筋肉を感じ取れるようにするため

選択的に鍛えていくことを

ススメます。

 

・特に反り腰のひどい方

・太ももの張りが強いヒト

・フィギュアスケート選手

など

ぜひ参考になさってください!