運動を行う人が増えることは良い事ですが・・・
24時間ジムでの運動や、ピラティス、パーソナルトレーニングのセッションを
受けている人は近年増えつつあります。
単純に運動をする事で、
運動人口増加🟰健康な人が増える
と考えられるわけですが、
日本の方々が健康になる
気運がある事は喜ばしいですね。
運動により健康である期間が伸びること
すなわち、
健康寿命延伸に欠かせない運動ですが、
一般的に運動を始める方の多くは、
自分のカラダをどうしたいか?
どうなりたいか?
という事を具体的に思い描いたり、
大まかに考えてモチベーションを保ち
運動されると思います。
ですが、そこに1つ落とし穴があって、
まずカラダをどうしたいか?
という考えとともに
まずは
自分のカラダがどうなっているのか?
一般的な健康なカラダの状態と比べ
自分のカラダがどうなっているのか?
という点を持って運動を始めていただくと
運動でカラダを痛めるなど
カラダのバランスを大きく崩す事なく
目標に向かっていけると感じています。
一般的に多くの人は
健康なカラダの定義がわからない事に
注意しつつ、
運動指導の専門家は指導にあたる責任がありますね。
今回のブログはカラダの肩甲骨の位置、
背中の見た目の定義と、そこから逸脱した症例を
解説します。
肩甲骨が浮いてしまっている。

上記は
一般的にキレイな背中である
と認識されるかもしれません。
この肩甲骨の浮きは
臨床的には
翼状肩甲(Scapular Winging)
と呼ばれており
肩甲骨内側や下角が
羽のように浮き出てしまいます。
浮き出た肩甲骨は
肩甲骨と上腕骨のリズムを乱すなど
肩関節の運動の出力低下や制限
痛みのキッカケにも繋がります。
知らずに激しい運動や肩関節運動の際に
痛みが出ることや肩関節のインピンジメント
を起こしたりなどで筋肉を痛める、
炎症を起こすことも考えられます。

あなたは大丈夫?肩甲骨の位置をチェック
ヒトは個人個人、体肢の長さや時に骨の数が違ったりと、
それぞれ特徴や破格(一般的な解剖学的な特徴から外れる)もあります。
ですがある程度、解剖学的に骨の位置の基準があります。
肩甲骨のチェックポイント(安静時立位)

そして肩甲骨がどこか浮いていたり、左右の差を
見比べる必要があります、
肩甲骨の上角は
胸椎の2番目あたり首で一番出ている骨が
頚椎の7番目の骨の下にある感じですね。
ぜひ、ご自身の肩甲骨の位置をチェックしてください。
翼状肩甲骨の原因は?
1 筋の機能不全によるもの
一般的には翼状肩甲骨の原因として前鋸筋と言われる筋がうまく働かないことが原因で生じます。肩甲骨の安定性に重要な筋肉です。うまく使えていない、弱化している、姿勢悪い状況などでも前鋸筋が働きにくくなるなど考えられます。

↑肩甲骨の内側から肋骨に広がり付着する筋です。
前鋸筋だけではなく、僧帽筋や菱形筋、肩甲挙筋、小胸筋、広背筋など
様々な筋によって翼状肩甲は引き起こされ内側型、外側型、下角型
など型も多彩で評価を適切に行う必要があります。
2 神経麻痺によるもの
長胸神経や副神経などの障害や麻痺などでも起こります。
その他、細かくは割愛しますが、外傷性や先天的な疾患でも見られます。
麻痺や痛みが無い場合はピラティスで機能改善
AMBER LABでも安静時立位でフラットバックや胸椎の伸展位など
を有している方は、翼状肩甲を呈していることがあります。
カラダが常に過緊張、交感神経優位の状況から抜け出せない方、
運動不足による体性感覚刺激不足やデスクワーク姿勢など
画一的な動きの生活ばかりを行なっている方、質的栄養不良などなど
とにかく、個人によって原因は様々でありますが、
適切な運動で脊柱が正しく働き肩甲骨の周囲筋を活性化することで改善に結びつける事ができます。
※評価によって痛み、麻痺を疑う場合は、まずは医科へ受診をお勧めします。
おすすめの前鋸筋エクササイズ
今回は翼状肩甲に悩む人にぜひやっていただきたい
ピラティス様エクササイズを1つご紹介します。

3Month position exercise (DNS)
赤ちゃんが3ヶ月ぐらいの時に行うポーズ。
手から肘まで(前腕で)地面を押し、肩甲骨が浮かないように
しっかりと地面を押します。この時にイラストは顎が上がっていますが
実際は軽く下顎を引き、
肩と耳の間を適切に保ちながら(肩をすくめない)
動作を行なってください。
今回は
翼状肩甲や肩甲骨の正しい位置に関しての解説と
改善エクササイズをご紹介しました。