モモ裏が伸びすぎに注意!?カラダのバランスが崩れる理由

  • トレーニング

 

トレーニングやピラティスを

始める前から、

 

モモ裏(ハムストリングス)の柔軟性や

股関節の可動性を高めることを

日常的に行っている方も

いらっしゃいます。

 

ストレッチを行う、簡単な運動習慣

を日常から実践することは

多くの方に推奨いたします。

 

ですが、

孔子の言葉を借りると

「過ぎたるは及ばざるが如し」

という言葉にもありますように

例えば

モモ裏だけのストレッチを

過剰に行ってしまう方、

開脚ばかりを

過剰に行っている方など

注意が必要な場合があります。

 

過度なストレッチは筋肉の感覚が低下する?過度なストレッチが招く問題点とは

 

1. 過度な開脚ストレッチ(内転筋・ハムストリングスのみを強く伸ばし続けること)の問題点

 

筋紡錘の感度低下(ストレッチ耐性の偏った上昇)

長時間高強度の静的ストレッチを繰り返すと、

筋紡錘(筋長の変化を感知する受容器)の

反応性が低下することが報告されています。

これは可動域が広がるというより、伸張刺激に

対する痛覚閾値が上がることが主因

と考えられていて※

結果として

伸張に対する危険信号が鈍り、

関節の最終域(エンドレンジ)を

乱暴に使いやすくなる

可能性があります。 

 

※静的ストレッチでは、実際の筋長変化よりも「伸張耐性の向上」によってROMが増える。

※長時間のストレッチは筋紡錘反応を抑制し、固有受容感覚の変化を伴う。

 

 


2骨盤のコントロール低下(可動域だけ高く、制御筋が働かない状態に陥ることも)

 

特定の筋(内転筋・ハムストリングス)

だけを長期に渡って伸ばし続けると、

 

骨盤前後傾のコントロール不良

 
が起こりやすくなります。

特にハムストリングスへの過剰なストレッチが続くと、

矢状面での骨盤制御に影響を与え

・骨盤後傾保持力の低下、

腰椎の代償動作が増える傾向があります。

結果股関節がうまく使えなくなり

お尻がたるんでしまったり、

反り腰やスウェイバック

など姿勢や見た目の変化に

つながることも考えれます。

 

・ハムストリングスの長さと骨盤後傾能力には関連があり、過度に伸張されたハムは骨盤制御能力を減弱させる(Weppler & Magnusson, 2010)

・内転筋は骨盤の前額面安定に重要で、過伸張は骨盤揺れの増加に関連(Sakurai et al., 2017)

 

 


3身体地図(ボディイメージ)の不明瞭化

 

また筋肉に対して伸張のみばかり与えると、

・筋の収縮・伸張(求心性・遠心性)

・関節の安定性が低下

など

筋肉の筋紡錘や関節包や靱帯が

伸張してしまうことで

多次元的な固有感覚入力が減る可能性が

高まり、

結果、身体地図(body schema)が曖昧

になる可能性があります※

 

※固有受容覚は、筋長だけでなく収縮の種類・張力変化・関節速度など多様な入力で形成される(Proske & Gandevia, 2012)


 

ストレッチ+関節安定化トレーニング+動作教育(ピラティス)を併用するメリット

可動域を安全に使える(機能的可動域、使える可動域 が向上)

静的ストレッチだけでは受動ROMは増えるが、


それを安全に使うための

「機能的可動域」

が改善しない。

 

その為、同時に

関節の安定化トレーニング

(内転筋群・ハムストリングスの収縮力改善、股関節外旋筋群強化など)を組み合わせることで、

・機能的可動域を高め、関節安定性が強化される

・伸び過ぎた筋を「使える長さ」へと改善

・股関節の運動パターンの再学習が進む

というメリットがあります※

 

・ストレッチ単独では動作改善が限定的で、ストレッチ+筋力トレーニング併用がROM機能の向上に最も効果が高い(Killen et al., 2012)

 


 

固有受容覚の改善(筋紡錘・腱受容器の再学習)

ストレッチ後に

・低負荷での関節トレーニング

(マシンピラティスが有用)

・筋肉の遠心性収縮コントロールエクササイズ

・骨盤のポジション教育、再学習

様々な複合アプローチを行うと、

筋紡錘や関節内の受容器の反応が

上がり、

身体地図の明瞭化につながり

やすいです。※

※複合運動刺激は固有受容覚の回復と姿勢制御を高める(Han et al., 2015)

 

 

 

上記のことから 

 

ストレッチ単独は注意が必要。関節の安定化エクササイズ+ピラティスを合わせて行うことがオススメ

 

 

ストレッチだけ行う →

可動域は増えるが、身体地図・安定性・動作はむしろ不安定化する可能性

 

ストレッチ+関節安定化EX+ピラティス動作教育 →

“安全に使える柔軟性” と

“代償の起きない動き” が作られる

柔軟性を高める目的であっても、

筋肉の長さ変化だけでなく、

  • 神経系(固有感覚)
  • 関節の制動力(安定性)
  • 動作パターン(協調性)

を必ずセットで育てる必要があると考えます。

 

ストレッチから始めることは悪いことでは

ないですが、同じ筋肉ばかり過剰に

伸ばすことには注意が必要です。